実験コラム「チューブトレーニングの強度ってどのくらい?チカラの測定器を使って測ってみた」

ちょっとだけ身体を動かしたいと思ったとき、手軽に負荷を得られるトレーニングチューブは強い味方です。せっかくであれば、目的にあった強度でトレーニングをしたいと思いますが、○○kgと書いてあるダンベルと違って、チューブトレーニングの強度はわかりにくく感じられるかもしれません。そこで今回の記事では、トレーニングチューブを引っ張ることにより得られる負荷(強度)を測定してみました!

目次

伸びと強度の関係をしらべてみた

まずは、プルダウン(頭の上で両端をもったチューブを、伸ばしながら首の辺りまで引き下げることで背筋を鍛えるトレーニング)に見立てた動きで、どれぐらいの強度が得られるかを測りました。

測定には、チカラを数値化する荷重測定器を使用します。チューブの片側を、荷重測定器に固定して動作をおこなうことで、強度が数値化されて表示されます。今回の測定では、15cmの長さで持ったチューブを、30cmまで伸ばしました。測定の様子と結果は、次のとおりです。

今回使用したチューブ(ラテックス製、幅5cm)では、ピーク時で19.8N(≒2.019kgf)*のトレーニング強度が得られていることがわかりました。2.019kgfと数字になると、なんだか前より効いているように感じるのではないでしょうか。ピーク値がわかったところで、今度は伸び距離と強度の関係をしらべます。今回は実際のトレーニングではなく、伸び距離と強度の関係をグラフ化できる機械を使用して測定をおこないました。

* N、kgfはチカラの単位で、1kfgは質量1kgの物体が標準重力加速度のもとで受ける重力の大きさを示します。5kgのダンベルであれば、真下に5kgfのチカラが働いているという状態です(実際には地域などにより重力加速度が異なり、多少のズレが生じます)。また、1kgf=9.80665Nという等式が成り立ちます。

縦軸が「強度(チカラ)」、横軸が「伸びた距離」を表しています。測定開始時の掴み距離は、プルダウンに見立てた測定と同じく15cmに合わせました。結果としては、伸び距離15cm(150mm)で強度19.3N(≒1.968kgf)と、先の測定の結果と非常に近い数値が得られています。また、グラフからは、測定開始直後に大きく強度があがった後、強度と伸び距離が比例して増加していることが見てとれます。ちなみに、硬さのちがうチューブでの測定でも、グラフとしては同じ傾向の結果が得られました。

測定の結果を踏まえると、高い強度を得るためには、チューブをしっかり伸ばして、トレーニングをおこなうことが必要だと言えそうです。また、とくに伸ばす距離が短いトレーニングをする場合には、あらかじめ硬めのチューブを選択肢に入れてもよいかもしれません。

・トレーニング強度は、伸び距離、チューブの硬さに影響を受ける。 ・強度は伸びはじめた直後におおきく上昇し、途中からは伸び距離に比例して上昇する。

トレーニングの強度は調整できる?

伸びと強度の関係がわかったところで、つづいては「トレーニング強度を調整する方法」です。もちろん、チューブ自体を替えれば、強度を調整することはできますが、5本、10本とチューブを買いたしていくのは、現実的ではないですよね。また、トレーニングによっては、伸ばす距離を変えるのも難しい場合があります。というわけで、伸び距離は変えずに、トレーニング強度を上げる方法をしらべてみました。

・複数のチューブをまとめて使う

・チューブを短く持つ

一般的には、強度を上げるために、上記の方法が用いられることが多いようです。

さて、実際に効果があるのでしょうか。測定してみた結果が以下のグラフです。

■ 複数のチューブをまとめて使う

複数のチューブをまとめて使うことで、強度が上がっていることがわかります。各距離での数値を確認すると、2本まとめて使用した場合の強度は、おおよそ1本ごとの強度を合計した強度になるようです。この性質を利用すれば、少ない本数のチューブでも、組み合わせを変えることでトレーニング強度を調整することができるかもしれません。

■ チューブを短く持つ

チューブを短く持った場合においても、強度の上昇が見られました。また、チューブを短く持つことで、トレーニング時の伸び距離も長くできるため、強度を大きく上げたい場合には、有効な手段になりそうです。ただし、チューブ自体にかかる負荷が大きくなれば、チューブが切れるリスクが大きくなることには、注意が必要かもしれません。

・チューブを複数まとめて使った場合には、1本ごとの強度を合計した強度が得られる。

・チューブを短く持つと強度は上げられるものの、切れてしまうリスクには注意が必要。

まとめ

今回の記事では、トレーニングチューブの強度特性をしらべることを目的に、荷重測定(チカラの測定)をおこないました。なんとなく理解していたことでも、改めてデータ化されたことで、新たな発見があったかと思います!各々のチューブの強度を知ることは、測定器がないと難しいかもしれません。それでも、本記事でチューブの特性を知ることで、すこしでも疑問が解消され、よりよいトレーニングライフにつながれば幸いです。

なお、今回の測定では、自社製の荷重測定器を使用しました(一部グラフは、測定データを元に筆者が加工しています)。測定器に関するご質問は、イマダ製品・サービスサイトよりお問い合わせください。

※ 今回の記事は、あくまで荷重測定という観点から、トレーニングチューブの特性を調べることを目的に書かれた実験コラムです。トレーニングチューブのご使用時には、各メーカーが定める使用方法を守ってお使いください。なお、今回得られた結果は、あくまで記事内で測定を行ったサンプルに関する結果です。トレーニングチューブごとに特性に違いが出る場合がありますのでご注意ください。

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