レオメーターを用いた嚥下調整剤および嚥下調整食品の力学的特性に関する研究―イマダ研究モニター紹介―

株式会社イマダの研究モニターとしてご参加いただきました、修文大学 健康栄養学部 管理栄養学科 近藤浩代教授の研究内容に関するご紹介です。

近藤教授、寒河江助手、学生のお二人

今回、研究モニターとして進めている内容は、「レオメーターを用いた嚥下調整剤および嚥下調整食品と各種消化酵素による誤嚥防止の力学的特性に関する研究」です。なかでも、消化酵素が嚥下調整食に与える力学的特性への影響の研究は、社会的意義、荷重測定が果たす役割が大きいと考え、イマダとしてもサポートを決定しています。

近藤教授は、京都大学にて博士号(人間・環境学)を取られ、複数の大学にて教員、研究者として従事。2023年より修文大学に着任し、学科長として日々研究と学生の指導に取り組まれています。イマダの研究モニターには、名古屋女子大学にて教鞭を取られておりました2022年にご応募をいただきました。


近藤教授によると、筋力低下や脳血管障害・神経筋疾患による嚥下機能の低下は、低栄養や脱水、さらには窒息や誤嚥性肺炎のリスクになり、高齢化に伴い増加しているとのことです。誤嚥の防止として「嚥下調整剤」が以前より用いられているものの、配合量や粘度の調整が様々であり、確立された取り扱いや配合が存在していないそうです。また、消化酵素が嚥下調整食品に与える影響(硬さや粘度の低下)も不明な点が多く、食べ進めることでの誤嚥や、胃の中での変化による胃食道逆流などのリスクについても十分な研究がなされていないという課題を見つけ、解決の方法を考えていたとのことでした。

そうした背景のなか、今回近藤教授には、イマダ製レオメーター FRTS-50Nを使用して、アミラーゼ等の消化酵素による嚥下調整食品への影響について測定、分析をしていただいています。データを取得し解析していく段階で、これまでの測定手法(LST:ラインスプレッドテスト)に比べて、硬さ・粘着力・凝集性・付着性・弾力性や細かな数値の違いまで見られるため、より曖昧さを取り除いた分析が出来そうだとの好評をいただいています。

また研究を進めるなかで、温度等環境の条件の重要さに気づき、現在は学生への指導も含めて、環境の影響についてもデータの蓄積をおこなっているとのことです。

今後の研究の展開としては、「各パラメータのデータ分析」、「FRTSとLSTの測定結果の比較分析」などを検討されているそうです。またFRTSについては、学生への授業などにも活用をしていきたいとのお話がありました。

嚥下機能の低下による誤嚥は、誤嚥性肺炎や窒息などの問題にも繋がりかねません。ますます高齢化が進む日本をはじめとする国々で、近藤教授がおこなっている嚥下障害や誤嚥防止に関する研究は、その重要さがより増していくと考えられます。イマダとしても、今後も社会的意義が大きい研究へのサポートを通じて、社会課題の解決に貢献していきたいと思います。

イマダでは、荷重測定による課題解決に関する共同研究を推進しています。ご興味のある研究者の方は、ぜひ下記URLよりご連絡ください。

https://www.forcegauge.net/contact/collaborativeRandD

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