創業以来の伝統と信頼をつなぐ、IMADAの荷重測定の原点メカニカルフォースゲージ

1947年、航空産業メーカーより当時入手困難であった荷重測定機の開発依頼を受け、国内初となるメカニカルフォースゲージを作ったのが、イマダの始まりです。以来、自動車、電子部品、化粧品など多様な業界において品質管理の現場を支え、国内外のモノづくりに貢献をしてきました。現在でも航空機の品質管理測定に使われるのはもちろん、防火戸の作動点検にも使われるなど、品質への定評を確立しています。

しかし、そこに使用されている技術や部品は、驚くべきことに、創業当時より大きく変わってはいません。

ここでは、創業以来培ってきたメカニカルフォースゲージへの市場からの信頼を支える、イマダの様々な取り組みについて紹介します。

目次

同じ型式のばねも、一つ一つ調整

測定機器であるメカニカルフォースゲージにとって、正しい測定結果を表示することは最も大切な機能です。イマダのメカニカルフォースゲージには、精密性を支える様々な製造工程での取り組みが行われています。

例えば、測定結果に大きく影響を与える重要な部品のひとつである「ばね」。ばねは、同じ種類・用途のものであっても、一つ一つ固有性があるため、イマダでは、それぞれの固有性にあわせ、手作業で追加工を施し、その働きを調整しています。また、ばねだけではなく、ばねを差し込む穴径もばね形状に応じて微調整を行い、ばねとそれを固定する部品とのずれを減らす工夫をしています。こうして精密に測定できるようになったばねは、密着ばねという自由長付近から特性変化の少ないばねと組み合わされることで、精度を長期間保つ構造となっています。

同じ型式のばねでも、一つ一つ個性があるんです。

 このような調整作業は、メカニカルフォースゲージの組み立て工程中に複数存在しており、その都度基準に沿った品質になっているか確認をしているため、安定して高い品質のフォースゲージを作ることができています。

 ばね以外にも、測定結果を指し示すダイヤルゲージは、測定荷重値を正確に表すため、針を最小の抵抗で進ませかつ摩擦抵抗で針を戻さず止められるよう、摺動面粗度を適切に保ち、その摺動性に厳しい基準を設けるなど、創業当初より各部品部品に高い基準を設定することで、今日まで高い精密性を持ったメカニカルフォースゲージを提供してきました。

目盛盤の面と指針の軸も垂直になるよう全品に調整が入ります。

40年前の製品でも、直るかも?

イマダには時折、30年、40年と使用されているメカニカルフォースゲージの修理依頼なども持ち込まれます。お客様の中には、直るか心配される方もいらっしゃいますが、どうぞ一度ご相談ください。一部の部品は、微調整を経ながらも初代から現在のモデルまでずっと使われているほか、工場には長期保管されている保守部品や、互換性のある部品も用意されており、旧製品の修理サポート体制を整えています。イマダのメカニカルフォースゲージは適切な条件下で使用されていると、長く現役でいられるような高い耐久性を備えているうえ、こうした修理サポート体制やISO17025の認定を受けた校正業務などの充実したアフターサービスの整備により、製品寿命の長期化を実現しています。

メカニカルフォースゲージの製造・修理は、技術と経験を蓄積したベテラン技術者が担当しています。

ちなみに、イマダでは、製品ユーザーの皆様に、1年に1回の製品校正をお勧めしています。校正の際は、温度湿度の管理はもちろん、外部からの振動の影響も受けにくくした環境で、厳格な審査に合格した校正作業技術者が、測定機器の精度確認を行っています。

校正室の床は、土台から独立して作られているので、外部からの振動が伝わりづらくなっています。

高品質なものも使いやすく

イマダのメカニカルフォースゲージの精密性と耐久性は、製品ユーザーの皆様に、測定試験での高い再現性を約束していますが、それ以外にもユーザビリティを高める仕組みが存在します。

 測定の際、力のかかる方向を規定するスライドベアリングは、イマダのメカニカルフォースゲージでは、横ではなく前後に動くようにデザインされています。これにより、測定時の力のかかり具合を補正し、より正確な荷重結果を得ることが可能になります。

 また、アルミダイキャスト製のボディは、荷重測定の使用環境に最適な頑強さと軽さを備えており、握りやすさを考慮したデザインとなっています。

イマダの資料室には、初代から現在販売中のモデルまで全種類が展示されています。

使用部品や技術など、創業時から変わらず守り続けられている要素の多いメカニカルフォースゲージですが、その外観だけは、時代時代のお客様の声や加工技術に合わせ、幾度かの変更を加えています。

 こうした、お客様のよりよいモノづくりを支えるための最適なユーザーエクスペリエンスを提供するために、守るところは守り、変えるところは変えてきたメカニカルフォースゲージの軌跡は、世界基準の品質と顧客満足を追求するイマダの使命を体現しているといえるかもしれません。

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