測定器の日常点検って何を確認すればいいの?

Q: 測定器を購入したのだけど、日常的に点検すべきことはあるの?

A: 動作確認(ボタンが正常に動作するかetc.)、外観確認(計測軸に歪みがないかetc.)に加えて、精度確認をおこなうことを推奨しています。

なかでも、精度確認は測定器管理において非常に重要です。「精度の確認は、校正機関に定期校正を依頼すれば十分じゃないの?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、日常的な精度確認は、異常の早期発見という大切な役割をはたします。

荷重測定器では、許容値を超える負荷(オーバーロード)や衝撃により、急激な精度の変化が起こる場合があります。測定ができない状態まで故障することもありますが、問題となるのは、測定はできるものの、オーバーロードなどの発生前と比べて、精度が大きくずれてしまったというケースです。

たとえば品質管理に測定器を使用する場合、測定結果の信頼性の確保は非常に重要なテーマです。「測定結果の信頼性が低い(測定値の正確性に疑問がある)」という状況下では、測定結果から導かれた品質管理の検査結果も、信頼性に欠けるものとなってしまいます。

急激な精度の変化に気づかずに測定器を使用していると、後々に異常が発覚した際に「既に製造、出荷済みの製品について、検査結果の信頼性が確認できない」という深刻な問題へと繋がってしまいます。そのため、異常を早期に発見することで、問題の深刻化を避けるための日常的な精度確認(社内校正)は、測定器管理において重要なポイントであると言えます。

▲ 精度確認の実施有無によるリスク期間の違い(イメージ)。実際に測定結果に異常がある期間は異常発生から定期校正/精度確認までの期間であるものの、異常発生時期を特定することができないことより、測定結果の信頼性を確保できない期間は、前回の定期校正/精度確認まで遡ることになります。この期間が長期化すると、「既に製造、出荷、販売済みの製品についても、品質を保証することができない」など、より深刻な問題が発生するリスクが高まります。

荷重測定器の社内校正作業手順について、より詳しくお知りになりたい場合には、下記リンク先のページより、作業手順書をダウンロードすることでご確認いただけます。

>> 荷重測定器の精度確認の詳細、作業手順書のダウンロードはこちら


精度確認以外の点検項目としては、「操作ボタンが機能するか」「連続使用時間に問題がないか」などの確認があげられますが、とくに計測軸については確認が必要です。

▲ フォースゲージの計測軸(左)と剥離試験用アタッチメント(右)

計測軸に傾きやゆがみ、がたつきなどがあると、センサーに正しくチカラを伝えることができず、正しく測定できない恐れがあります。同様に、アタッチメントについても、変形や亀裂などがないかを確認することをおすすめします。たとえば、剥離試験治具や摩擦試験治具のプレートに大きな傷があると、測定結果に大きな影響を与えるかもしれません。

イマダでは、日常的な精度確認に使用できる器具の提供に加えて、自社製品への校正サービスも行っております。日常点検の過程で異常を発見した場合には、精度調整や修理の提案も行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

>> イマダ製品・サービスサイト「校正サービス」の詳細ページはこちら

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