「強いノットづくり」は永遠のテーマ
ノットと聞くと、速さの単位を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、今回はノット=「結び目」の強度試験に関するお話です。「強いノットづくり」は釣り人の永遠のテーマ。すぐに切れる弱いノットでは大きな魚を釣り上げることはできません。さて、そんな重要なノットですが、ご自身の結び方が十分か数字で確認してみたいと思ったことはありませんか?そんな想いが叶うイベントが先日行われましたのでご紹介です。有名なノットと同じ結び方をしたつもりでも、その強度には実は大きな差があるかもしれませんよ。
ノットコンテスト開催
今回イベントを開催したのは、NPO法人 ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)様です。JGFA様は会員数3000名を超える世界有数の釣り団体であり、釣魚の日本記録管理や世界記録への申請補助、イベント開催などを通じたフェアな釣りファイトの普及など、様々な活動をされております。
そんなJGFA様がイマダ製品を使って行ったのが、参加者がそれぞれに作ったノットの強度を競い合うノットコンテスト。3年ぶりにリアル開催となった「釣りフェスティバル」「フィッシングショーOSAKA」のJGFA様ブースでの開催です。
久々のリアル開催ということもあり、イベントが計7万人近くもの来場者を集めるなか、JGFA様のノットコンテストもとても多くの参加希望者で大盛り上がり。ブースの担当者様はお昼ごはんに行く余裕もなかったほどの賑わいでした。
コンテストの内容は、ノットで結ばれた仕掛けと釣り糸を上下から引っ張って強度を測定するというもの。フォースゲージを使用することで糸が切れた時にかかった負荷(=破断強度)がリアルタイムに数値化されます。使用された釣り糸の強度8kgfに近づくほど、上位にランキングされるということで、先着30名の方がコンテストに参加。
コンテストの結果は悲喜こもごも、しっかりと結んだつもりでも、引っ張っていく途中でノットから糸が抜けてしまったり、2~3kgfで切れてしまったり、自身のノットづくりに自信が持てたり…。
優勝者の記録はまさかの8kgf越え!上位入賞者には表彰状が、また参加者全員に記念品が配られました。「フィッシングショーに来て表彰状を貰えるなんて、思わなかった!」と喜びの声も寄せられ、JGFAの副会長様との記念写真の撮影も行われました。
コンテストとは別に行われたノット強度の測定体験にも多くの方が参加され、なかには結び方を変えながら何回も挑戦する方も。普段ではできないノットの強度のチェックを、多くの方が楽しまれたのではないでしょうか。
意外に広い 引張試験の世界
使用している釣り糸が同じでも、その結び目で全体の強度に大きな違いが出てくるというのは、とても興味深いですね。実はものづくりの世界では、同様の引張試験が品質管理、研究開発の場面で多く利用されています。例えば釣り糸では、引張試験を利用して、その強度や伸び率が測定されています。一般的に伸び率の低い(引っ張っても伸びない)釣り糸は感度が高く、釣り糸の先で起きた変化が手元まで伝わりやすいそうです。
また、釣りの世界以外にも、「飲料缶のプルタブの強度測定」や「粘着テープの剥離強度測定」など、引張試験が利用されている例を挙げはじめるとキリがありません。イマダのHPでも、たくさんの測定事例動画を公開していますので、是非この機会に覗いてみてください。普段の生活や仕事に活用できる、おもしろい動画が見つかるかもしれませんよ。
以上、今回は「ノット強度」と「引張試験」に関するお話でした!
■ 引張試験 | 荷重測定専門メーカーのイマダ (forcegauge.net)
※最後になりましたが、今回の記事において、情報提供にご快諾いただいたジャパンゲームフィッシュ協会様へ感謝の意を表します。